虫歯になりやすいかどうか(カリエスリスク)は1人ひとり異なります
リスクの低い人の中には、歯を磨かなくても虫歯にならない人がいます
兄弟でもカリエスリスクは異なります。また一般的に下の子は、上の子と一緒に早い時期から甘いものを食べ始める場合が多いことも関係していると思われます。
Q03.歯みがきと虫歯は関係ないと思うのですが?
Q04.虫歯にとてもなりやすいのですが歯を磨く以外に予防はないですか?
Q05.歯を一生懸命に磨いているのに次々虫歯になります。なぜですか?
歯みがきと虫歯は関係があります。しかし歯みがき以外のカリエスリスクを左右する因子にも影響を受けるので、歯みがきをしなくても虫歯にならない人もいれば、歯みがきをしていても
虫歯になるという人もいます。
歯みがきをしていても虫歯になるという人は、次の事をチェックしてみてください。
①正しく磨けているでしょうか?
歯の真ん中ではなく、歯ぐきとの境目や咬みあわせの溝の中など隅々を磨くよう心がけて下さい。磨き残しがないかを確認するために、プラークを赤く染め出す
染色液を使ってみることをお勧めします。
②甘いものを多く食べていませんか?
お子さんが自分で勝手に食べていませんか。幼児期は親御さんが食べる量を管理するよう
にしてください。
③だらだら食べをしていませんか?
あまり甘くない食べ物でも、だらだら食べることは問題になります。
テレビを見ながら、あるいは遊びながらスナック菓子を食べ続けていると危険です。
きちんと歯を磨く、フッ素を使うなどカリエスリスクとなる要因を減らし、甘いものを食べるときには、だらだら食べではなく、時間を決めて食べるようにしてください。
また、おやつの後、歯みがきをするかキシリトールガムを咬むなどすれば、虫歯のリスクを抑えることができます。
ノンシュガーであれば、虫歯になりませんが、100%野菜ジュースや果汁ジュースには果糖などが含まれており、虫歯の原因となります。砂糖、果糖、ブドウ糖の表示がある場合は、気をつけて下さい。
甘いものをまったく食べなければ虫歯は出来にくいと考えられますが、虫歯菌はパンやスナック菓子などからでも酸を産生しますので、注意が必要です。
薬の甘み成分は砂糖が一般的です。短期間の場合は心配いりませんが、長期間続けていると虫歯の原因になると思われますので、気をつけてください。
Q12.子供の歯の生え始めに虫歯菌が母親から感染すると聞きましたが本当ですか?
虫歯は感染症であるため、母親に限らずカリエスリスクの高い養育者が同じスプーンを使ったり、口移しで与えたりすることが習慣的に行われると、感染するといわれています。
虫歯菌が入っても定着が起こらない場合は虫歯にはなりませんので、母親を始めとする養育者の口の中に虫歯がなく、カリエスリスクが低く、また子供の口の中のリスクも低い状態に保つことで、感染を防ぐことができます。ですから神経質になりすぎることなく、スキンシップも大切にしてください。
毎食後、なるべく早く磨くのが理想的ではありますが、なかなか難しいと思われます。
寝ている間は唾液の分泌量が少なくなり、虫歯になりやすいので、寝る前の歯みがきがもっとも大切です。寝る前には必ず歯みがきをする習慣をつけてください。
1本でも生えてきたら歯みがきを始めましょう。初めのうちは嫌がらない程度でかまいません
ので、1歳6カ月ぐらいまでに少しずつ慣らしていくようにしましょう。
ガーゼで拭くということも聞きますが、ガーゼでは肝心な所の汚れ(プラーク)が取れません。
子供に指導するのは操作性のやさしい方法がよいでしょう。
したがって、水平法(横磨き法)が推奨されます。
歯ブラシの毛先を歯面に90度に当て、水平に(近遠心方向に)往復運動させます。
小さく動かすよう教えましょう。
6歳臼歯の萌出が完了するまで、およそ小学校の1、2年生まで、仕上げ磨きは必要です。
6歳臼歯の咬み合わせの面(咬合面)をしっかり磨くことが大切です。
10歳までという意見もあるようですが、できればその頃までに、プラーク染色などもしながら、自分で磨けるようになってほしいと思います。
定期的に歯科医院を受診してブラッシング(歯みがきの仕方が適当か)のチェックを受け、予防的にフッ素塗布をすることが理想的です。
ぶくぶくうがいができるようになるのはだいたい3歳ぐらいでしょう。
そのうちできるようになると思われますので、できるようになるまでゆっくり待っていいと思います。
歩き方を教えなくてもはいはいから立ち上がって歩き出すように、うがいの仕方を教えなくても、多少の早い、遅い、上手下手はあるかもしれませんが、まねをさせる程度でいつの間にかできるようになるものと思われます。
ブラシの部分が小さめで、毛の硬さがふつうの歯ブラシを選ぶようにしてください。
毛先が広がったら交換してください。また歯ブラシを清潔に保つことも大切です。
ぶくぶくうがいができるようになってからがよいでしょう。
3歳ごろからが目安になりますが、歯磨剤を嫌がる場合はフッ素のうがいやスプレーを利用してもいいでしょう。
いいです。虫歯予防の補助として使いましょう。
唾液の分泌を促進する働きもあるので、その意味でもよいと言えるでしょう。
また、キシリトールの摂取量に制限はありませんが多量に摂取した場合、下痢を起こす可能性があります。
ガムを安全に食べられると判断した時からであり、お子さんによってもさまざまでしょう。
ガムが無理なら、タブレットタイプもあります。
指しゃぶりは生理的な現象といわれています。胎児が母親のお腹の中で指しゃぶりをしていることはよく知られています。しかし、いつまでも続けていると歯並びに影響が出てきます。
では、いつまでにやめればいいのでしょうか? 平均的には3歳までにやめればいいと言われています。しかし、実際は5、6歳まで指しゃぶりをしていても、歯並びに影響が出ない子
もいれば、3歳にはやめたのに影響が出てしまう子もいます。
単に指しゃぶりといっても、なめる程度の子から、1歳ですでに歯列の形を変えてしまうほど強く吸っている子もいますし、指がはいらなくなったかわりに、舌や唇を入れる癖が残ってしまうこともあるからです。簡単にやめられるようであれば、早めにやめさせておいた方が無難だといえるでしょう。
Q28.夜泣きがあるので母乳をあげてます。虫歯になると聞きましたが、本当でしょうか?
また断乳が遅れると虫歯になりますか?
飲みながら寝てしまった場合には、乳首を離し、唾液が行きわたるようにしましょう。
母乳だけが原因で虫歯になることは、まずないと言えるでしょう。
離乳食が始まると、他の食べ物や飲み物の影響が出てきます。それらの影響の方が大きいので注意しましょう。
乳酸菌の1つであるロイテリ菌(液状の物)を飲ませることで夜泣きが治まるという報告もあります。
癒合歯は、2本の歯がひっついてる状態です。200人に1人位の発生率です。
2本の歯が合わさっている部分が溝になっていることが多く、その部分が虫歯になりやすいので、よく磨いて下さい。溝が深い場合には予防充填が望ましい場合もあります。
乳歯の癒合歯の下の永久歯が2本ある場合と1本しかない場合があります。
1本しかない場合は、歯の数が合わなくなり、歯並びが崩れる原因となりますので、後日に矯正を勧める場合があります。
子供の舌がよく荒れるということはまれだと思いますが、ビタミンB1、B2、B6が不足した場合、舌が荒れると言われています。
ビタミンについては別紙をご参照下さい。